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奨学金の借り方に気をつけて!

2010年03月29日
今年度も岩手県内の高校、数校に伺いました。

そこで先生との話で必ず出たのが授業料の滞納の件。行った先すべての高校でお聞きしました。「滞納をしている=卒業証書がもらえない=進学も就職もできない」のです。

金融機関や福祉関係者、相談窓口の方々からは、授業料分のお金を貸してほしいと保護者が来ているという話をたくさん聞いています。

これまで経験したことのない経済不況。その影響が今、中高生を持つ家庭に大きな波として迫っているようです。

ある高校では、進学する生徒の半分以上が奨学金を申請しており、中には月10万円を借りる生徒がいるとのこと。月10万円ということは、4年間で480万円(保証料込、返済は卒業後から)、年率3%(日本学生支援機構)とすれば総額約646万円、月約2万7千円を20年間かけて返済しなくてはいけません。

大卒の初任給が約20万円、手取りで約17万円。そこから2万7千円が引かれると、1か月14万3千円。会社の寮や住宅手当がある会社だったら、ぎりぎり生活できるラインかと思いますが、すべて自己負担となればなかなか厳しいのではないでしょうか。

2〜3年前、私も「これからは、高等教育の教育費のすべてを親が負担するのではなく、子供にも奨学金を借りてもらい覚悟を持って勉強してもらうべき」とお話していました。しかし、その時は大学生の就職率がこれほどまでに下がることは想定外、借りる金額も10万円を超えるものは計算外でした。親の経済状況もこれほどまでに悪化するとは、100年に1度とはこういうことかと改めて思い知りました。

奨学金は借金です。卒業後に就職できなくても返済は待ったなし(病気など相当の理由があれば猶予可能だが返済しなくていいということではない)。万一返済が滞り3カ月以上の延滞するとブラックリスト入り。その後返済しても5年間はリストから抹消されないのでその間、クレジットカードが作れない、他のローンが組めないという事になります。

ここ1,2年以内に奨学金を借りて進学をしようという方は、卒業後、就職できないときの返済はどうするか?月々の返済金額に無理はないか?などをしっかり考え、上記のようなリスクがあることもしっかり理解した上で契約をしてほしいものです。金額はいくらがいいと一概に言えませんが、家族の中で働き手を増やして収入を得たり、子ども自身にアルバイトをしてもらうなども検討した上で最終手段を奨学金とするべきです。

将来、子供を大学へ進学させたいとお考えの保護者の皆様は、学資金の計画的な準備だけでなく、将来どんな仕事に就きたいか?そのためにはどんな学校に行くのか?大学進学は本当に必要か?なども、子供としっかり話し合っておくことをお勧めします。

無理な計画で子供を大学に入れると、保護者が生活できなくなり学校を中途で退学せざるをえなくなったり、大学は卒業させることができても老後の生活が厳しい状況におかれることもあります。子どものためになんでもやってあげたい親心はわかりますが、進学資金がどうしても準備できなかったときはしっかり子どもに伝え、理解してもらうことも必要です。

大学の進学率が55%を超えた現代(H20年度文科省調べ)ですが、入学する側は、その数値に振り回されることなく家族全員の生活の現状と、子どもの教育の必要性をしっかり見極めた進学選択が大切になってくるでしょう。

国には、優秀な人材を育てるためにも、返済がいらない奨学金制度をドン!と作ってほしいですね。また大学側には、少子化に伴う経営難、就職浪人と様々な問題があるようなので、他の国に習って、学びたい人がいつでも入れるよう、入学審査を緩く、卒業認定を厳しくするなど大学のシステムそのものを考え直してほしいなと思います。きっと、日本の教育が変わるのではないかな〜と、最後は受験生を持つ親のつぶやきでした。

 
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